だっていつかは。
でもいつも。
想うことは一緒。
「ユーリがいなくなったらヤだなー」
「いきなりなんだ?」
ソファに座って本を読んでいたユーリの足元に転がって、スマイルが呟く。
うつ伏せのまま喋るその声の聞き取りづらさにも眉を顰めながらユーリは足元を見下ろした。
「だってヤだよ」
「だから、どこをどう考えてその結論に至る?」
「ワカンナーイ」
相変わらず支離滅裂なスマイルとの会話を諦めたユーリが本に視線を戻す。
ごろごろと寝返りを打つ音が続く。
「………ユーリは?」
「なにがだ」
「ボクがいなくなったら」
「お前はそこにいる」
即座に返った言葉は、軽い蹴りが付いてきた。
「居続けるのだろう?」
靴の爪先を背中に当てて問う。
答えは簡潔だった。
「そーだネ」